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好きな人より縁のある人と会う



今さら言うまでもないことですが、コロナ渦によって、私たちの生活は大きく様変わりしました。


リモートワーク、社会的距離、オンラインでのコミュニケーション。


ウイルスの感染拡大を抑制するために強いられた、これらの行動様式や価値観は、もはや生活をする上での「標準」になりつつあります。

前回のメルマガでも触れましたが、私たちの仕事も「お見合いはZOOMでする」というのが、この2ヶ月ほどで定着したように感じます。

ほとんどの会員さんはまだ経験されていないので、イメージすることが難しいかもしれませんが、お見合いされるお二人は、お互いが画面に映るお相手に集中するぶん、結構、充実したコミュニケーションができているようです。


そして、時間が来たらお別れのあいさつと共にパッと画面が消える。

それがまた「はかない」らしく、その独特の余韻が「もう少し話しがしたい」という気持ちをかき立てるようで、以降、交際に進む件数が増えています。

皮肉なもので、今回、著書を出した途端にコロナショックが本格化しました。


緊急事態宣言後、書店は閉まったまま、アマゾンは生活必需品の配送で忙しいらしく、全体的な書籍の動きは鈍い状態が今でも続いています。

それでも読者の方から、熱いお手紙をいただいたり、読んですぐに入会手続きに来られる方もいたり、嬉しいことも結構あって、その度に力をもらっています。

そして、今回の出版にあたって、以前と違うのは、同業の結婚相談所からの講演の依頼が頻繁にあるということです。


先日も某県の結婚相談所が集まる勉強会グループから連絡があり、「どうすれば成婚者を増やせるか?」について、私の経験や、そのやり方を話して欲しいという依頼を受けました。

そんなテーマをあげてくるとは、それだけ同業者も成婚数を伸ばせずに困っているということでしょう。


「成婚者を増やす方法?」って、そんな方法があるなら、私自身がウン百万払ってでも習いに行きたいくらいです。


ただ、一つだけそれにつながることがあるとすれば、それは私たち仲人が、会員さんが「希望するお相手像」に執着しすぎないこと。

ついつい私たちは会員さんの「希望の条件に合った人」でないと、お見合いをさせてはいけないというふうに考えます。


それでうまくいけばいいのですが、会員さんがその「希望に合ったお相手」とお見合いしたとしても、そのお相手からお断りされることもよくあります。


そういうケースが続くと、婚活に対する意欲も低くなります。

同じことを繰り返して結果が出ないのであれば、方法を変える必要があります。


そういうタイミングにある会員さんには「お相手選びの視点を変えてみては」と、提案することがよくあります。

どういう意味かというと、1250組を超える結婚に携わった経験からわかったのは、人は好きなタイプの方と、実際に縁のあるお相手は必ずしも、一致しないことのほうが多いということ。

だから、もし、何回かお見合いをしても、その中に縁になりそうな方がいない時は、会う人の枠を少し広げてみる。


つまり、一見自分の好きなタイプとは少し違う人ともあえて会う。


実はそうした出会いから良縁に発展し、めでたく成婚に至ることが本当に多いのです。

時々、10年とか20年前にお手伝いした会員さんのファイルを見直すことがあります。


それらを振り返って感じることは、それぞれの会員さんが入会当初、口にしていた「好みのタイプ」通りのお相手と結婚されたことはほとんどないように思います。

婚活を始める人は皆、最初は結婚可能な条件を備えた「恋人」が見つかることを期待します。


しかし、多くの人にとって、実際に結婚する人は恋人ではなく「縁のある人」なのです。

そして、これまた、「縁のある人」の多くは、自分が理想とするタイプ以外の人だったりするのです。


結婚に対する夢を壊す気などまったくありませんが、これが「結婚の現実」だと、私は自分の経験からそのように考えています。

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