前回は「好きな人より縁のある人を探す」というお題で、ある意味、結婚というものの真実というか現実というか、受け取り方によっては、結婚への夢を覚ましてしまうようなお話をしました。
今日はその続編をお話ししようと思っていますが、前回の内容を少しおさらいすることにします。
婚活を始める人の多くは、結婚できる条件を備えた人で、かつ自分が好きなタイプの異性との出会いを求めます。
でも実際に結婚するお相手というのは、最初に本人が思い描いていた、恋人タイプの人では
ないことが多く、結局は「好きな人」より「縁のあった人」と結婚するのだというのが、結婚の実態なのではないか?
そんなお話をしました。
そこで今回の続編では、この度、まさにその「好きな人より縁のある人」と成婚された会員さんのお話を紹介することで、その真意に迫りたいと思います。
先月、46歳の女性会員の方(S子さん)から嬉しい報告がありました。
遡ること40日前の週末に、お見合いで出会った男性からプロポーズされ、それをお受けしたとのことでした。
お相手の男性は彼女よりひとまわり年上の公務員。彼からお見合いの申し込みを受けたとき、Sさんは少し戸惑っていました。
それも、これまでひとまわりも年齢が離れた方を男性として意識したことがなかったので、
お見合いをしても、果たしてお付き合いできるのか?
その実感がわかなかったのだそうです。
とは言うものの、「自分も40代後半になっているのだから、それくらい年上の方も候補として広げていかなければ」と、そうSさんは考え直し、お会いすることを決めました。
そして迎えたお見合いの日。お相手の男性であるYさんの第一印象はS子さんが予想していたよりもいいものでした。
「見た感じは年齢よりも少し若く見えましたし、言葉数は少ないけど、誠実な人であることは伝わってきました」
お見合いを終えたその日の夜、先方から「交際希望」の返事がきていることをS子さんに報告すると、彼女も同じ気持ちであるということでした。
それからお二人は、何度か食事に出かけたりするなど、時間を共にしました。
公務員として長く事務系のお仕事に就かれていたこともあってか、もともと口数は多くないお相手のYさん。
お見合いの時から、会話で盛り上がるということもはなかったらしいのですが、逆に女性慣れしていないところが、S子さんとしては、かえってYさんに対し「信頼できる人」という印象を深めていったのでした。
そして、お見合いの日から約40日後の週末、S子さんから「Yさんからプロポーズしてもらいました」という連絡をいただきました。
S子さんの彼への気持ちを聞いてみると彼女はこう言いました。
「正直言ってYさんことが好きとか、そういう感情が自分にあるかどうかはわかりません。
でも、これから人生の後半を一緒に生きていくことを考えた時、あの人が人間的にも社会的にも信頼できる人、安心を与えてくれる人であることは確信しています。
もちろん私もYさんにとって、そういう存在でありたいと思っていますし、なれるよう努力します」
S子さんの大人らしい成熟した考え方に私は感動を覚えました。
そして、さらに彼女はこう続けました。
「メルマガだったか、本だったか?以前、橋本さんが書かれていたことで、すごく記憶に残っていることがあって、今回、その考えに従おうと思ったんです」
「私は何を書いたのか?」そう思いながら彼女の言葉を待っていると、
「“恋愛の絶頂期に結婚すると、そこが頂点だから、あとはゆっくりとその気持ちも下りになっていくことがある。だから二人のお互いを思う気持ちがピークに向かう途中で結婚して、そこから頂点に向かってゆっくり関係を深めていくほうが、その後の結婚生活が充実するように思う」と。
だから、私も結婚して、これから少しずつ彼を好きになっていけばいいんだって思いました。
「なるほど、そういうことか!」と納得しました。
前回と合わせ「好きな人より縁のある人を探す」というテーマを続けた理由は、実際の婚活では、好きな人を見つけること自体が意外にも簡単なことではないからです。
そして、それは年齢を重ねるほど、難しくなってきます。
人は、特に女性は28歳くらいをピークに異性に対してときめく感覚が鈍ると言われています。
「なぜなのか?」をここで詳しくは説明しませんが、それは心理的なことだけでなく、ホルモンのバランスが変化するとか、身体的な理由が大きいからです。
特に30代後半から40代の会員さんは、そのように自分自身に、実は変化が起こっている自覚がないまま「好きになれる人」を探し求めている間に、時間だけが過ぎていって、油断すると「かれこれ10年近く婚活を続けてきた」なんていうことになりかねないのです。
何歳で結婚するか、それは人それぞれのタイミングがありますし、早いか遅いかで、結婚生活の幸福度が決まるわけでありません。
ただ、もし、考え方も価値観も行動も、20代の頃とずっと変わらないまま、願む結果を求めていたとしたら、それは確率的にはどうか?ということを今一度考えてみる必要があるかもしれません。
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