結婚相手に家柄の釣り合いを気にしなくなったら全てが上手くいった話





先月の後半から、今月にかけて

入会希望の面談を申し込まれてくる方が

増えてきました。


結婚を希望するご本人だけが来られる場合は、

必要なことはすべて1時間以内にお伝えでき、

お互い無駄のない面談ができます。


しかし、全体のうち約半数は、

ご両親もしくはお母さんと同伴で来られる方で、

そうなると、活動するご本人より、

親御さんが話す割合のほうが多くなり、


時間がかかったわりには、

お互い同士で理解し合えたのか?と、

モヤモヤが残ることもよくあります。


その場合、たいていは、

お子さんの結婚と家族の事情がセットになった

お相手に対する要望が親御さんから出できます。



ご家族の事情といってもいろいろありますが、

その代表例を言うと、


「ウチは●●の家系ですので…」


この●●とは、たとえば


「ウチは親の代から3代に

わたって教育者の家系ですから」とか、


「親戚ともども公務員が

多い家族ですから」とか。


そして、決まってそのあとの常套句は


「ですから橋本さん、

同じような職業に就いている方を

ご紹介いただかないと、困るんです」


その度に言いそうになります。

「なぜ困るのですか?」と。


「ウチは●●の家系ですので…」ではじまり、

「困るんです」というリクエストのなかでも、

お相手に医師を求められるケースは、

やはり群を抜いています。


そのほとんどは、

お父様が医師であるお嬢さんの縁談。


このような案件は、この何十年、

絶えることはなく、常にどこかの

「医師のご家庭」からお願いをされています。


親子3代にわたって医師。

また親戚もほとんどが医師。


なかには法事でもあれば、

総合病院ができるという一族も

あったりします。


経営される医院の後継者が不在で、

どうしても跡取りが必要であるというケースは、

どちらかというと少数で、


単純に「医師家系」だから、

それを継承していきたいというのが

理由なのでしょう。


逆に考えると、

異質な存在を身内に入れることを拒む。


その根底には、人のあるいは集団の防衛本能が

働いているということもあるでしょうし、


自分ちは、ある意味特別な存在であるし、

その状態を続けたいという心理が

そうさせているのかもしれません。


それにしても、

子供の頃から医師と結婚することが

義務付けられている。


そのような責務を背負っている

当のお嬢さんは、本当に大変だと思います。


その中で、元会員さんでA子さんという

「医師のお嬢さん」が結婚された時のことを

思い出しました。


もう、かれこれ10年近く

前のことになるでしょうか?


幼い頃から自分の意志とは別のところで、

将来の結婚相手は医者と定められていることに

疑問を持ち続けながらも、


親の希望には逆らえず、

20代半ばから多くのお医者さんと

お見合いを重ねてきたA子さん。


しかし、30歳を過ぎても、

なかなかご縁に恵まれず、

お母さんと共にあかね屋にやって来ました。


年の離れたお兄さんも医師。


後継者は決まっているのに、

「お医者さんでないと…」と、

条件は変えないお母さん。


「ウチはこういう家なのだから、

もし、あなたの結婚相手だけが医者でなかったら、

その人も何かと居辛いでしょう」


そんなお母さんの言葉に、

階級意識めいたものが見え隠れする。


いっそう抵抗感を強めた彼女は、

私にこう言いましいた。


「母の意向は無視してください。

橋本さんが私に薦めてくださる方なら、

お仕事に関係なく会わせて欲しいと思っています」


結婚という人生のテーマに向き合って5年が過ぎ、

A子さんは初めて、自分の意志で

結婚相手を探すことを決めました。


それ以降、2カ月の間に、

A子さんは医師以外の男性3名と

お見合いをしました。


そして、その3人の中に

運命の人がいました。


その彼は、税理士事務所に勤務している

7歳年上の方。


前年に税理士資格を取得したことを機に、

婚活を始めたばかりだったとか。


交際3カ月で2人は結婚を決め、

彼が挨拶に来た時、


あれだけ医者との結婚に固執していたお母さんも、

彼と会うなり、意外にもあっさりと

承諾したのだそうでした。


さて、このお話、

痛快なのはこれからです。


A子さんのご主人となった税理士さん。


彼女から病院経営の状態を

ところどころを聞くうちに、

いろいろと問題があることに

気付き始めました。


A子さんが橋渡しとなり、

税理士として経営診断したところ、

相当に不効率な経営をしていることが

わかったのだそうです。


ご主人は、このままでは、

いずれ赤字経営に陥ることを

義理の父である院長に説明し、

改善する方法を提案しました。


それから僅か1年半で、

A子さんのお父さんの病院は、

過去最高の利益を出したそうです。


医師は医療のプロであり、

経営のプロではない。


医師一族に税理士という

「異質な存在」が加わったことで、

このファミリーは、さらに「栄える力」を

もつようになった。


あらゆる生き物も、また企業も、

多様性をもつものが、生存する可能性を

より高めるといわれています。


時々、会員さんのご家族からお聞きする

「ウチは●●の家系ですので…」という言葉に、

私が違和感を強くするようになったのは、

このA子さんの一件があってからのことでした。