「私、今まで実家を離れたことがないので、
結婚後は実家の近くに住んで、
親の面倒を看てくれる人でないとダメです」
「今、週2でフラメンコを習っているですけど、
結婚しても私の趣味を続けさせてくれる人が条件です」
入会前の面談時、まるで、そのように申告するのが権利のごとく、
「●●をしてくれる人でないとダメなので、よろしく」と
おっしゃる方が結構います。
最初から、“私の条件を受け入れてくれる方とでないと、
お見合いもしない”と。
そのようなご希望には、必ずお応えできる保証はありませんので、
場合によってはご入会をお断りすることがあります。
結婚相談業者の広告の出し方にも問題があるかと思いますが、
結婚相談所に入会すれば、自分の希望に沿ったお相手と、
次々に会えると思い込んでいる方がいます。
そんな考え方では、「婚活は苦戦する」と説明しても、
「先週面談に行った相談所では、
“あなたならいくらでもお見合いの
申し込みが入りますよ”って、言われました」と、
まるで、その道の専門家からお墨付きをもらった私に向かって
「何を言うの?」と言わんばかり。
人間とは不思議なもので、それが広告のうたい文句でも、
営業マンの勧誘でも、自分が望んでいることを
“肯定してくれるものや人”を信じる傾向があるようです。
「占い」を盲目的に信じるのも同じ心理だそうですが、
考えれば分かるものなのに…。
逆にあなたが、最初からあなたと同じような条件を出してくる人を見たら、
どう思いますか?と言いたくなります。
「僕は長男なので親と同居が可能な方を求めます。
将来は親の介護もお願いします」
「3度の飯より釣りが好きで、週末を家で過ごすことはありません。
そんな自分を理解してくれる方を求めます」
これを見て「まぁ、アリかな」って思うでしょうか?
立場上、「親と同居しなければならない」。
趣味しかり「自分が大事にしていることを理解して欲しい」。
そのような事情があること、
希望をもつことが問題だと考えているのではありません。
そのことに対するお相手の理解を求めるのなら、
順番を大事にして欲しいのです。
出会いがあって、それがお付き合いに発展して、
お互いのこと、立場や環境を含め、理解し合う過程の中で、
「実は●●なので、その時は少し協力してもらえませんか?」というのが、
「お願いごと」というものです。
そこを少々考え違いしている人が最近は増えたような気がします。
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