「橋本さん、私、Fさんとのお付き合い、お断りしたいんですが・・・」
「あ~そう…やっぱりダメだった?」
「はい。もうこれ以上はちょっと、難しいかなぁって・・・」
「そうか…、難しいか…。何か決定的なことがあったの?」
「ええ、決定的と言えば…
実は先週、奈良に遊びに行った時の話なんですが・・・」
電話の主であるU子さん(33歳:女性)がFさん(36歳)と
お見合いしたのは、ちょうど2か月前。
紅葉がピークを迎えた、おだやかな日曜の午後でした。
お二人は年齢が近いこともあったのか、
初対面の挨拶からすぐに打ち解けた雰囲気だったので、
私もあえて場を和ませる必要もなく、
ほんの1,2分で立ち会いを終えたほどでした。
そんな出会いでしたから、
お互いともその夜に「お付き合い希望」の返事をいただき、
交際が始まりました。
あと1ヶ月ほど交際が続けば、かなりいい感じになるのではと、
私も密かに期待をいだいていましたが、
残念ながら今回の縁は息切れしてしまいました。
それにしても「もうお付き合いはやめよう…」
そう彼女を決心させた決定的な理由とは?
二人で奈良に遊びに行った時にいったい何があったのか?
その理由を男性に聞かせると、10人中9人が茫然とするでしょうし、
逆に女性なら10人中9人が
「うん、それはしかたないよね」と共感する、そんなお話でした。
かいつまんで言うと二人は、
先週の週末、古都を散策しようということで、
奈良の神社、仏閣を歩いてまわりました。
歩き始めから3時間近く経ったころ、
ある公園のベンチで休憩しました。
その時、Fさんが
「俺、温かいものが欲しいからコーヒー買ってくる」と
イスから立ち上がり、数10メートル先の自動販売機に向かって
歩き出しました。
そして、1本の缶コーヒーを両手でもてあそびながら
ベンチに戻ってきたFさんは、
ふたをあけ、1人ごくごくとコーヒーを飲み始めました。
その彼の姿を横目に見た時、U子さんの気持ちは一気に冷めました。
「あ~もう今日で(この人とは)終わろう…」と。
たしかに、U子さんの話を聞いていて、
私が彼女でも同じ気持ちになったかも?と思いました。
なぜ、この男性は、
「俺、温かいものが欲しいからコーヒー買ってくる」の後に、
「君も何か飲む?欲しいもん言うて、買ってくるから…」
という言葉を付け加えてくれなかったのか?
「Fさんはいい人ですけど、いつもどこか肝心なところで、
気持ちが通じ合えないというか…
今まで何回も似たようなことがあったんです。
だから、もし結婚しても、この人ずっと気づかないのだろうなぁって」
彼女の言わんとしていること、すごく分かります。
もちろん「自分も缶コーヒーが飲みたかったのに、この人は…」
ということではありません。
コーヒーなんかどうでもいいけど、
「君も何か飲む?」という一言が欲しいのです。
なぜならその一言に自分に対する「彼の配慮」を感じるからです。
「いつも気遣ってくれている」
すなわち、自分のことを“大事に思ってくれている”
ということを実感する。
そのような感情に満たされることは、
時に一流ホテルで最上級のディーナーをおごってもらうよりも、
「女心」には、比べ物にならないくらいの“ごちそう”なのです。
しかし、Fさんに限らず多くの男性は、
生まれながらにして、脳にそのような思考回路が通っていない。
だからこそ学習を積んで、このような一言による
「配慮のメッセージ」を武器にすることができた男性は必ずモテます。
このメルマガを読んでいただいている男性諸氏、
「たかが缶コーヒーで…」なんて、絶対にバカにしてはいけません。
女性はそこに愛を感じたり、
失望したりすることを忘れないでください。
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