「今、貴金属の買い取り価格が上昇しているのをご存知ですか?」
つい先日、朝のワイドショーがそんな話題を取り上げていました。
貴金属の中でも、今は特にダイヤモンドの需要が高いらしく、
モノが古くても質が良ければ、
専門業者は高値で買い取ってくれるらしいのです。
しかも、買い取られたダイヤモンドの多くは
インドに持っていかれるとか。
その理由は、今、インド経済がインフレ状態にあり、
その影響による通貨(たしかルビーのはず)の下落に備えるため、
約1200万人ともいわれるインド国内の富裕層がこぞって、
ダイヤモンドを買い漁っているからなのだそうです。
ちょっと面白かったのは、貴金属を売りに来たお客さんと
買い取り業者とのやりとり。
客のほとんどは女性で、持ち込んだ代物は、
元の彼氏からもらったプレゼントだったり、
離婚を機に前のご主人から贈られた婚約指輪だったり、
あるいは太ってしまったことで、指に入らなくなった指輪など、
番組は貴金属がそれぞれの持ち主から“売りにだされる理由”も含め、
その様子を伝えていました。
私たちの仕事においても、
貴金属・ジュエリー製品は身近な“モノ”です。
と言っても、その現物を取り扱うとか、売買を仲介するとか、
そんな商売臭い意味ではもちろんありません。
特に婚約指輪は結婚を口約束だけでなく、
「品」で証明するという意味での「モノ」です。
ですから、残念ながらご縁が破談になったような場合には、
その「モノ」の扱いや行き来に関して、
どのように処理をすればよいかの意見を求めらることがあります。
身近なモノとは、そのような意味においてです。
さらに、私たちにの仕事の中で、
この身近なモノの処分を考えなければならないのは、
婚約が破棄された時だけではありません。
たとえば、これまでにも頻繁に起こってきた
“あるケース”があります。
どういうものかというと、
特に男性のほうが、まだ相手が自分のことを好きかどうか分からないし、
自分も具体的に結婚の意思を示していない。
そのようなお付き合いレベルで、
女性の誕生日などに(婚約指輪ほどではないですが)
高価な貴金属を女性にプレゼントをした。
そして、間が悪いことに、その数日後に女性からお断りが入る。
という、無さそうで、意外にもよくある“ケース”。
このような「おはなし」を耳にすると、
どうしても女性のほうに“よろしくない意図”があったかのような、
そんな印象を持ってしまいます。
男性からすれば、相手に喜んでもらいたい気持ちと、
男気を示す意味で、出会ってまだ間もない関係にしては、
相当割高な投資をしたにも関わらず、その数日後に
考えもしなかった“どんでん返し”を見舞われたのですから、
その心中は相当へこみます。
このような場合、
法的には女性が男性からプレゼントされた品を返す義務はありません。
しかし、道義的にはやはりお返しするのが筋です。
ですから、ほとんどの場合、私たち仲人の勧めで、
プレゼントしたその品は男性のもとに返って来ます。
(念のため言っておきますが、
ここで自らプレゼントの返還を求めるような
みみっちい男子はほとんどいません)
それにしても、このようなケースにおいて、
多くの女性はどうしてプレゼントを受け取ったのに、
(しかも、その時はすごく喜んでくれたはずなのに…)
それから数日内に「お断り」をするほど、態度を変えるのか?
その理由をお話ししないままでは、
彼女らを批判したままの後味がよくない内容になってしまいますので、
次回、それについて私の思うところをお伝えすることにします。
(この記事は2015年1月当時の内容が含まれています)
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