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失恋から立ち直る心の動き「喪失の5段階説」




今月も数組のカップルが、めでたくご成婚されました。


しかし、その片方では、交際を終了された方々も

多数いらっしゃいます。


数々の出会いがあって、そのぶんに近い別れがある。


そして別れの中には、時にその当事者にとって、

辛い出来事になってしまう場合もよくあります。


その方にとっては「失恋」したことになるわけですが、

「失恋」にもそれぞれレベルがあって、

早く立ち直りができることもあれば、

しばらくは何も考えたくないほど、

落ち込むこともあります。


このようなある種の「喪失」を経験した時、

人の心理がどのような順番で移り変わり、

やがて立ち直っていくのかを説明した学説があります。


これを「喪失の5段階説」というのだとか。


人は自分にとって大きな喪失感と直面した時、

以下のような態度を示すそうです。


「否認」⇒「怒り」⇒「取引」⇒「抑うつ」⇒「受容」


たとえば、家族とか、伴侶とか、

極めて身近な存在が急逝したとします。


いきなりそんな不幸に見舞われた時、

人はまずは「信じられない」、

そんな理不尽は到底「受け入れられない」と、

断固として認めたくないと拒絶します。


これが第一段階の「否認」という態度。


そして、いくら否認したくとも、

その不幸は現実であることに違いはない。


そうあきらめた時、今度はなぜ、

こういうことが起ってしまったのか?


何がどう間違ったのか?その原因を考えたり、

あらゆる思いを巡らせるうちに、

今度は「怒りの感情」がこみあげてきます。


この段階での怒りの対象は3つあって、

まずは自分に対する怒り。


そして、去って行った人に対しての怒り。


最後は第3者への怒り。


自分に対する怒りとは、たとえば、

どうして相手に対して、

「もっと優しくしてあげられなかったのか?」

というような、自分の「至らなさ」を悔い、

それに腹立たしく思うこと。


相手に対する怒りとは、それとは逆に、

自分にしてくれなかったことを

いろいろと思いだしては、それを恨む気持ち。


そして第3者への怒りとは、たとえば、

医者があの時、適切な処置をしていたら、

こんなことには、なかったかもしれないのに…と、

それに関る専門家などを批判すること。


「怒り」という態度は体力を要しますので、

長くは続かず、それを出し切ると、

今度は3番目、「取引」するという行動にでます。


「取引」する相手とは神であったり、仏であったり、

目には見えない存在に対してです。


「神様、もう何でもしますから、悔い改めますから、

だからあの人をもう一度よみがえらせてください」と、

それが現実的なことではないとわかっていながらも、

あえて、そう思う、あるいは手を合わせることで、

悲しみを受け入れることへの最後の「もがき」が、

この「取引」という段階なのだそうです。


そして、4番目が「抑うつ」という段階です。


これは悲しい現実に対し、

もうどうにもならないと観念し、

悲しみにどっぷりひたるあまり、

引きこもり状態になる。

これが「抑うつ」です。


明けない夜がないように、

どんな悲しみも時間の経過と共に

少しずつ癒えていくきます。


この段階でようやく現実を受け入れ、

喪失した後の人生を生きる意志をもてるようになる。


これが最後の「受容」という段階です。


この「喪失の5段階説」という考えは、

私の仕事にとって、大事な指針を与えてくれます。


「喪失」というものを説明する上で、

家族や伴侶など、身近な人との突然の別れという

大変「悲しい体験」を想起してもらいましたが、


そこまでの深刻さはないにしても、

「ご縁」が壊れた時、会員さんによっては、

相当の喪失感にさいなまれることがあります。


当人の精神状態によっては、

それ相応のフォローをしなければなりません。


そして、その際、当事者の感情やふるまいは、

やはり「喪失の5段階」に沿うことが多く、

フォローする私自身も、本人は現在、

どの段階にいるのか?それを想定し、

対応を間違わないことに意識してつとめています。


たとえば、交際の「お断り」を

報告しなければならない時のタイミングや

お伝えのし方も、「否認」したい、

「信じたくない」という気持ちに

どうやって寄り添えるか?


それに対し、その人に合った言葉や

連絡を入れる時間帯など、

いろいろと腐心します。


そして、怒りの感情に対しては、

当人の怒りが収まるまで、

話を聞き、時に私もその怒りに同調します。


また、私に八つ当たりをされる方もいますが、

それも立ち直り必要なプロセスですから、

黙って聞くようにします。


そして「取引」の段階。


もともと「喪失の5段階」で言うところの

「取引」とは違うニュアンスですが、


「私のどこが悪かったのか聞いてください」とか、

「友だちとしてお付き合いしてもらえるよう、

橋本さんからもお願いしてください」など、

あらゆる理由を用いては、何とかして

「つながり」を保とうとされる方もいます。


しかし、それはこの「お見合いの場」における

ルールや流儀に反することで、


残念な結果ではあったが、

実際に真剣に結婚を意識できた人と

巡り合えたということは、

その人自身に「縁が来ている」。

だから、この流れを大事にして、

前を向こうと励まします。


そうして「抑うつ」状態、

つまり、婚活を停止してしまうことを

極力防ぐよう何度も時間をかけて

話をするようにします。


そこまでの過程を経ると、

多くは「受容」の段階に進み、

心新たにご自身の結婚活動を再開されます。


そして、再開から1度目か、

2度目のお見合いで「本物の結婚相手」と巡り会い、

成婚に至る。


そんな逆転サヨナラホームランのような結末が

数多く起るから、本当に不思議です。


その度に、


「あの時、落ち込んでいる私に

“縁はあなたに来ている。

ただあの人ではなかっただけよ”って、


橋本さんが言ってくれたことは本当だったんですね。

ご縁って不思議ですね」


今までどれだけ多くの会員さん(特に女性)が

同じことを私に言ってくれたでしょうか…。


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