30年以上、大阪で結婚相談所を営み、疑問に思うこと




結婚婚相談所を営みながら、

時々疑問に思うことがあります。


「結婚相談所とは会員さんにとって

どういう場所なのだろうか?」と…。



というのも、すべての会員さんが

結婚することを本気で望んで、

婚活をしているわけではないからです。


望んでいない人に、立場上、

結婚できるよう、お手伝いをしなければならない。


意味がわからないかと思いますが、

そんな矛盾がこの仕事にはあるのです。


しかも、そのような人が極めて少数派なのであれば、

それも仕方ないことなのですが、


そうとも言いきれないくらいの方が、

一定数いるから、ややこしいのです。


そのような人たちは、ほとんどが男性です。


たまに女性の中にも、一瞬、

そのような目で見てしまう方もいますが、


よくよく見ると、その人たちは

「自分が結婚に向いているのか?」

「本当に自分は結婚したいのか?」

それを確かめるために

婚活をしているようなふしがあり、

そこには、はっきりとした目的意識を感じます。


しかし男性には、そのような意図とか、

ポリシーは感じません。


ここに女性と男性の

結婚というものに対する

「現実味」の違いがあります。


婚活はあくまで結婚という

「目標を叶えるための手段」であることは、

言うまでもありませんが、彼らにとっては

「婚活することが目的」になっていて、

結婚するという本来のゴールを忘れているのです。


その人たちに共通しているのは、

婚活が楽しいことです。


はっきり言って、

「婚活が趣味」といっていいくらい。


だから婚活をいつまでも続けたい。


続けたいから、なるべく

“結婚できないような婚活をする”

まったく変な話ですが、実際にそうなのです。


たとえば、あきらかにOKがもらいにくい相手にしか、

お見合いの申し込みをしない人がいます。


その代表的な1人の会員さんの例をあげると、


その方ご自身は、

今年の春から50歳後半になりましたが、

お見合い相手は30代半ばから下、

ひどい時は20代の女性に申し込みを入れます。


そんな彼が、それなりに素敵なミドルなら、

可能性もかろうじて、無くは無いのでしょうが、


実年齢よりも老けて見えるし、

おしゃれとか身だしなみにも

まったく興味がないし、

当然、話す内容もおもしろくありません。


アピールポイントは、

大手企業で管理職に就いているので、

それなりの年収はあり、さらに株式投資など、

財テクにも多少、たけているらしく、


本人いわく、「僕ほど好条件の男も珍しい」と、

自己評価はすこぶる高いのです。


「僕と結婚する人は絶対幸せになれるのに」が

口癖で、事務所に来られた時は、

必ず3回はその言葉を口にします。


その度に心の中で言います。


「女はそんな単純じゃない。バカにしないで」と。


ある大手メーカの研究職に就いている

男性会員さん(50歳)は、

80歳になるお母さんに連れられるようにして

相談に来られます。


彼の人生最大の栄誉は、かのK大学、大学院を

“ご卒業している”ことです。


ご卒業後は、今の会社一筋で、

勤続年数は25年に達するというのですから、

それなりに責任あるポストに就いておられると

普通は考えられるのですが、


彼から提出された収入証明に

記載されたその金額は、

ちょうどサラリーマンの平均年収と同額です。


歴史のある大手メーカですから、給与体系にも、

多少なりとも年功序列的な要素もあるはずなのに…


それを差し引いたとしても、その年収額は、

彼のキャリアには明らかに見合わないものです。


ということは、

それだけ、職場で冷遇されているのでしょうか?


そうとしか考えられません。


それでお母さんと一緒にウチの事務所に来ては、

2人でパソコンの画面に映る女性を品定めします。


「この人は○○女子大卒か…。

そのくらいのレベルでは話が合わないねぇ」

そう親子でつぶやき合っては、

楽しそうな表情を浮かべています。


“話が合わない”どころか、

彼が入会して以来5年、この私ですら

彼とまともに話をしたことはありません。


「報告、連絡、相談」

対話のほぼすべてがお母さん経由なのです。


こうしてご自身にとって、

お母さんにとっては息子の

“学歴の高さ”をしみじみと噛みしめ、

お互いで悦にひたっています。


とはいえ、

こんな異様な光景を傍から黙って見ているのも、

まぎれもなく私の仕事の一部なのです。


確かによく考えれば、結婚相談所というところは、

現実の世界、職場などの人間関係からは、

満たされない自己の価値とかプライドとか、

「存在感」について、


ここでは否定されることなく、

自分の話を聞いてくれる、この方々にとっての

唯一の場でもあるのでしょう。


そうして、普段、他人には言えないこと、

けっして聞いてもらえないことを

ガチャガチャと言いたい放題しゃべっては、

スッキリできるところなのです。


そのようなある意味、その人たちのとっての

ガス抜きに付き合うことも

入会金の中に含まれていて、それも私ができる、

その人たちへのお役立ちであると、


そう考えることで、

何とも言えない、

この自分の感情を処理しています。


まぁ、いろんな人とかかわることで、

年をとっても、人間に関するたくさんなことを

勉強させてもらっている。


そのことに対する感謝の気持ちは

常にもっているのですが…


なんとも、おもしろいですね(苦笑)