前回は「喪失の5段階説」というテーマを
とりあげました。
その内容を少しおさらいします。
家族や大事な人を亡くした時、
恋人と別れた時など、
ある意味「喪失」という出来事があった際、
それによる衝撃を人はどのように受け止め、
やがて、立ち直っていく過程での心理状態や
行動がどのうように推移していくのか?
それには
「否認」⇒「怒り」⇒「取引」⇒「抑うつ」⇒「受容」
という5つ段階を経る。
それが「喪失の5段階」なのだそうですが、
このことを題材に、実りかけた縁が
破談になった時の会員さんの心理とつき合わせ、
共通項を探しました。
そして、最後のほうでお伝えしたのは、
結婚まであと一歩のところで、
破談になったとしても、
その出来事から1回、2回のお見合いで
出会ったお相手と成婚に至る。
そんなまるで、逆転ホームランのような
結末が実に数多く起るから、
ご縁というのは本当に神秘的だと…。
そのように締めくくったのですが、
今回はその続きのような内容をお話します。
もう2年ほど前のことになるでしょうか?
NHK、夕方の情報番組「ニュースシブ5時」に、
出演させていただいたことがありました。
私が出させていただいたのは、
「悩みの相談」のコーナー。
視聴者から募った様々な悩みに対し、
3名の回答者がそれにこたえていくというもの。
共に出演させていただいたのは、
高名な僧侶であり、宗教学者としても
有名な釈 徹宗さん。
そして、東大、ハーバード大で
医学を学ばれ37歳という若さで、
予防医学という先端分野において
大活躍されいる医学博士で科学者の石川善樹さん。
普段なら、とても私などが
お会いできるようなレベルではない方々と
幸運にもご一緒させていただきました。
お二人ともこれまで、たくさんのご著書を
お出しになっていますが、
特に石川善樹さんが某人気アナウンサーの方と
共著でだされた
「どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた」
という本の中で、非常に気になる
短い文章を見つけました。
何が私の心にひっかかったのか?
それは、さきほどお話した
逆転ホームランのような結末が
「なぜ起こるのか?」
その不思議を科学の観点で明しているように
思えてならなかったからです。
というわけで今回は、
その話をさせていただこうと思います。
非常に気になる短い文章とは?を書きます。
「“希望”はポジティブ感情の中でも
際立って面白いんです。
“絶望”を経験した人しか、
それは感じられないものだから。
絶望を経てからの反動で希望が生まれるんです」
とてもいい感じで縁が進んでいたのに、
成婚目前で破談になる。
そのようなことはよくあることですが、
その度、私はその方に言います。
「結果は残念だったけど、
ここまで縁談が進んだということは、
“縁そのもの”はあなたに来ている。
前のお相手はたまたま“縁の人”ではなかっただけ。
だからもう一度、気分を変えて頑張ろう。
必ず近いうちに“本物の縁の人”に会えるから」と。
それは気休めや慰めの気持ちからではなく、
本気でそのように言っています。
そして、それは結構高い確率で
現実のものとなります。
この現象を石川さんの言葉とつき合せて考えると、
次のように仮定できるのかな?と思います。
成婚を目前にご縁を逃した人は、
少なからず「がっかりした気持ち」を味わう。
これを「絶望」とまで表現できるかは、
その人によるのでしょうが、
いずれにしても、心は折れます。
でも、その人がそこから立ち上がった時、
何かそれ以前とは少し変わったような、
そんな印象、雰囲気をその人から
感じるようになります。
それは、人に対して寛容になれたり、
やさしくなったり、
言動に謙虚さを感じるようになったり…
結果的にそれが他者から見て、
その人が魅力的にうつるのような、
ポジティブな変化がその人たちに
起っているように感じるのです。
「絶望を経てからの反動で希望が生まれる」
つまり、一回絶望したからこそ、
そこから立ち上がった時の希望が、
その人を光らせている。
その光のようなものが、
次に会った人を惹きつける。
科学的に言うと、
そういうことではないかと…。
だから、もしも、婚活の過程で、
ここでいう「絶望」を経験したとしても、
それは次の福を運んでくる「吉兆」であると、
そう考えて欲しい。
またそう考えて、自分を少しだけ
ポジティブに変えることができた人が
逆転ホームランのような「成婚」を
手に入れているのだと…。
ご縁の世界にはこのような法則があるのだと、
私にはそう思えてなりません。
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