テレビ番組の影響により、お陰さまで6月以降、
多くの方々があかね屋にご入会いただきました。
会員さんが増えると、お見合いの件数も増え、
多くの会員さんの活動に勢いが出ているというか、
全体が活性化しているように感じます。
今回の入会で、本格的に婚活を始めた人にとってのお見合いは、
普段ではなかなか出会う機会のない立場の人と会ったり、
今まで経験したことのないような刺激や発見があるようです。
たとえば、先日も次のような組み合わせのお見合いがありました。
女性は堅実なサラリーマン家庭で育ったお嬢さん(Nさん)で、
男性は創業から2代目を継いでいる社長さん(Iさん)です。
お昼に近い時間だったため、
自己紹介がてらの軽い談笑の時間も早々と済ませ、
Iさんはあらかじめ予約していたホテルのレストランへ、
彼女をエスコートしました。
コース料理と食後のお茶を含め、約2時間を一緒に過ごした後、
Iさんは彼女が帰宅するに都合のいい駅までタクシーで送ってくれた上、
さらに駅前のお菓子屋さんで車を降り、
“ご家族へのお土産にどうぞ”と
ケーキの詰め合わせまで持たせてくれたそうです。
その日の夜、電話で私にお見合いの様子を
一部始終聞かせてくれたNさん。
さぞかし、楽しかったと思いきや、彼女にとって、
Iさんの行動はどうも理解できないことが多かったようです。
「Iさんたら、今日初めて会ったのに、
8000円もするランチをご馳走してくれて、
その後タクシーで、上本町まで送ってくれた上に、
お土産まで買ってくれて…」
「あ~そう。それはまた丁重なおもてなしをしてくださったのね」
「もちろん、よくしてくださったことには感謝しているんですが、
でも、いくらなんでも初めて会った私に、
あそこまでお金を遣うということは、
他でもそれだけのお付き合いをしているということでしょ?」
「まぁ、会社の社長さんだから、接待慣れしていることもあるし、
それはIさんなりのおもてなしだったんじゃない」
「でも、そんなに大きな会社の社長さんでもないのに、
いつもあんなにお金を遣うものなんですか?
タクシーの支払だって、5000円出して2000円以上も
お釣りがあったのに取らないんですよ。
そんなところが逆に何か、違いすぎるっていっていうか…」
「あ~そう…じゃぁ今回のお話、お断りする?」
「…」
たしかに、Iさんの立ち振る舞いは、
堅実なサラリーマン家庭で育ったNさんには、
少し理解しにくいところがあったのも無理はないかもしれません。
私も夫は公務員でしたし、その妻の立場でIさんの振舞いを
見聞きしたとしたら、事業をされているような方は、
やっぱり派手だなぁ~と思ったことでしょう。
しかし、夫が亡くなってから今に至るまで、
30年近く事業主として生きてきましたので、
Iさんには何の違和感も持ちません。
たしかにランチに8000円をかけるのは、一見贅沢に感じますが、
逆に1500円のランチで1時間以上もその席を占拠することは、
「大人の振舞い」と言えるでしょうか?
ランチに8000円なのではなく、それらしい雰囲気の「場」で、
できるだけ「いい時間」を過ごすということを目的とするなら、
それくらいのコストはむしろ当たり前なのです。
また、Iさんがタクシーの運転手さんにチップを渡したのも、
サービスを受けたことに対する少しの「気持ちとしてのお金」を施し、
相手の気分を良くすることで、その何十倍、何百倍のいいことが
返ってくることを事業をしている人は知っているからです。
サラリーマン家庭で育ったNさん、2代目社長のIさん。
どちらが立派だとか、優れているとか、そんな区別はできません。
しかし、立場の違い、環境の違いによってそれぞれの価値観は違います。
大切なことはその違いを否定しないこと。
「なるほどそんな違いもあるんだ」と認めること。
これから多くの人と会っていく過程で、
そのような柔軟性をもって一人ひとりの相手を見て、
感じることが大事です。
なにより、そのような習慣が自分の器を広げ、器が大きくなったぶん、
多くの有望な縁を引き寄せることになるのです。
お見合いは、異なる価値観を学ぶ場でもあること。
参考にしていただければ幸いです。
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